meat

雨が続いた7月だった。やることも山のようにあってしんどい日が続いた。

生活に刺激がほしいと思っていた。

7月に入ってすぐ肉を食べない生活を始めた。理由は特にない。小学生が冬になってもいつまで半袖でいられるか我慢しているような感じである。そういうのが好きなのかもしれない。

肉を食べないという習慣はなかなか難しいということが分かった。決意してすぐにコンビニでポテサラを挟んだサンドイッチを買って食べていると、中にハムが入っているのが見えた。少しがっかりしたが、明日から始めようと開き直った。

大学でもバイト先でも家でもコンビニを使うことが多い僕にとってライフラインを握られているその場所には、実は肉の入っていない商品は少ないのであった。蕎麦やサラダ、鮭おにぎりを食べることが多かった。

そしてお菓子の量が増えてしまった。ポテトチップス、いかフライ、チョコレート、えびせん等。手に取ってしまう癖がついた。ダイエットを目的にしていないので気にしているわけではない。

 

これでも2週間はこの生活を続けることができた。きっとあまり友達に会ってなかったからだろう。飲み会やら外食やらに行って肉を避けるのは至難の技だろうな。

断肉の終末はあっけないものだった。いつも通り大学の中にあるコンビニで昼食を買っているときに“冷やしタンメン(沖縄出店記念)”を見つけ、中身を見ると具は野菜ばかりで肉は入ってなさそうだったので買い物かごに入れた。

教室でいざ食べようとタンメンを開けると1枚だけ薄い豚肉が入っていた。正直こんなんだったら要らないだろってサイズであった。包装のビニールに隠れて見えなかったのだろう。え、という驚きとともに怒りさえ込み上げてきた。

僕は食べ物を粗末にするようなことはしない。しっかり薄い豚肉を1枚食べた。久しぶりの肉は味がしなかった。だからと言って、これをカウントしないというのも自分に嘘をついているような感じがして嫌だった。事実を受け止め、断肉生活に終止符を打った。ありがとう、野菜や炭水化物たち。

 

この生活をしてよかったことと言えば、少し穏やかになった気がしないでもない。特に痩せた感じもない。バイト先での話のネタになるくらいか。

どうせなら飲みにでかけたり、焼肉を食べたりしたい。とにかく友達に会いたいな。