child

2週間ほど地元に帰っていた。今は成田空港から東京駅に向かうバスでこれを書いている。

ふかふかの巣のような街で毎日誰かに甘えていた。夢のような時間だった。思い出すだけでもうっとりとしてしまう。


会う人みんなが東京は大変やろ、とか、立派になったねとか声を掛けてくれた。それを聞く度にあなたの方が立派だと思った。

4月から会社で働くため、今人生で最後の長期休みを送っていることになる。立場的にはまだ学生である。

僕はまだ汗水垂らして働くという経験がない。もちろんバイトでしんどいシチュエーションに遭遇したことは何度もあるが、毎日同じ時間に出勤して、同じようなことを繰り返しやって、一月やっていけるだけの給料をもらうということは自分からは程遠い生活だと思っていた。

しかし、それを当たり前のようにこなしている人たちが軽んじることなくしっかり僕と話をしてくれる。居心地の悪さも多少感じた。僕は何もしてない、と。

勝手に大人になった気でいたが、ただ東京でぬくぬくと暮らす子どもだったのだ。


母親からこのままずっと学生がいいか?と冗談に問われたが、そんなの嫌だ。自分の生活を送りたい。

そういう思いもありながら、市役所へ転出届を出しにいった。難しい言葉が並ぶ書類。出せば、次の窓口へと誘導される。

なんとか転出はできたが、次は東京で転入届をやらなければならない。そっちの方が不安だ。

不安が積み重なる。でも4月からはそんな不安が当たり前の生活になるかもしれない。


あんなに楽しい帰省だったのに、こんな内向的な文章を書き連ねてしまった。楽しかったこともまた書きたい。さて、現実へ戻るとするか。

fine

久しぶりに晩酌して、ほろ酔いになった頃、僕はYoutubeを漁っていた。
最初は友達のバンドの映像見て「楽しそうだ」とか思っていたが、ふと関連動画のところに見たことのある名前のバンドを見つけてクリックした。
そのバンドは僕が高校時代の青春を捧げたBase Ball Bearというバンドだった。そのベボベ野音の映像を見た。最近やったライブの映像らしい。
大学生になってからは全く追わなくなってしまったから新鮮だった。ベボベは元々4人組なのだが、僕が上京したくらいにギターが失踪して3人組になってしまった。他のギタリストを入れたりして活動しているというのは知っていたが、全くと言っていいほど興味を無くしてしまった。
そんなバンドがライブをしている映像を久しぶりに見るのだ。ワクワクする。

そこでやっていたのは僕も高校時代よく聴いたり、ギターを弾きながら歌っていたりした曲だ。ギターリフをボーカルの小出が弾く姿があった。

その瞬間、僕は動画を止めた。とてつもない悲壮感に襲われたのだ。

 

と、ここまで下書きのところに残されてあった。僕は思い出と喧嘩してたみたいだ。もちろん今ではどうでもいいことだ。感情はいつも忙しない。

今日はバイトが早めに終わり、帰宅後、楽屋からパクった崎陽軒の弁当を食べた。そこまでうまくなかったが、これをうまいと言いながら食べるのが大人なんだなと思った。

来月、大学を卒業する、予定だ。一昨日、夜中に外を歩いていると知らない家の前にアコギが落ちているのを見つけた。僕はアコギを持っておらず、考える。よく見ると粗大ゴミの回収ステッカーが貼ってある。確かに捨てられたものだ。いつもの自分なら迷わず家に持ち帰る。

しかし、4月から社会人になるという奴がこんなことをしていいのだろうかと自分に問いかける。虚しくなり真っ直ぐ家に帰る。

これが大人になるってことだ。よく分からないものを拾ってはいけない。誰かの弁当を食べてはいけない。酒に酔って暴力を振るってはいけない。いつも元気でいなくてはならない。

たいへんだな、と他人事のようにこのブログを打ち込んでいる。明後日には地元に帰省するので、その空き時間にまた書こうと思う。暇だと思うから。

trouble

昨日あんなことを書いておきながら、起きたら授業が始まっている時間だった。

またか、とため息をつく。

 

脚本を書いたりスケジュールを書くために入ったファミレスでアホみたいにカフェオレを5杯も6杯も飲んだせいか、朝の6時ごろまで寝つけなかった。原因はそれだけではない。

 

隣駅に友人が引っ越してきたというのを聞き、急いで連絡した。彼の部屋はまだ荷ほどきをしているところだというので僕がよく行く近所の居酒屋で合流した。2人で飲むことはおろか、飲みにいったことも1回くらいしかないように思う。今思えば彼は酒というのがあまり好きじゃないのかもしれない。

その席ではお互いの近況や好きなものの話をした。一昨日見たみだらな映画の話をすると怪訝な顔をされてしまった。

1、2時間で出ようと21時頃店に入ったはずが気づけば1時半になっていた。あんなに時の流れを感じなかったのは久しぶりのことだと思う。正直彼とそんなに話すこともないかなと初めは思っていたが、彼は僕の話すことを一生懸命聞いてくれる好青年だったのでどうでもいい話をペラペラと話し続けてしまった。

少し酔いも回って、家に帰ってから30分ほどぼーっとしていた。シャワーを浴びた後ベッドに入るも、彼と話したことを少し思い出してみたり全く関係のない先のことを考えたりしていると興奮気味になり眠れなかった。

 

明日はとある作業が終わる(であろう)日。1月に向けてどんどん肩の荷を下ろしていって2月にはだるんだるんになりたい。

tobacco

しっかり冬になってしまった。

僕の部屋は暖かい造りになっており、まだ暖房をつけたりしていない。それでいいと思っていたが鼻水が止まらず、コンビニで買ったポケットティッシュ6個入りが底つきそうになっているのを見て床暖房くらいつけてもいいかと自分に言い聞かす。

今はファミレスで温かいカフェオレを飲んでいる。季節が変わると埃かぶったこのブログのことを思い出す。


昨日は卒論のために愛のコリーダとかいうわけのわからない映画を見ながら寝落ちした。2時間の中で1時間40分くらい性行為をしている映画だった。これで卒論を書くのは難しいということだけは確かだった。


最近は如何にも大学生、という日々を過ごしている。

11月に入ってすぐに学祭があった。先に卒業した同期の友だちと深夜練に入り、朝仮眠を取ってそのままステージに立った。

学祭の期間中毎日飲んでた。今年に入って飲みにいく機会が少なくなったので少し嬉しかった。気がつけば深夜の代々木で歩道沿いの草木に埋まっていた。

飲み物を口につけるペースで煙草を吸う後輩たちを見て去年の自分を思い出した。休学中だったものの、学祭にはしっかりと顔を出していた。ヘビースモーカーばかりの同期に混ざってずっと喫煙所にいた。昨年までは大学で最も古い棟でライブをやっていた。ボロくて長い廊下に反響するノイズが懐かしく愛おしい。その棟はこの1年、すごい速さで壊されていった。僕の青春が詰まった場所だったので悲しくならざるを得なかった。サラバ。


学祭も終わり、教授に叱られながら卒論に目を向け始めた。いくつかの授業の課題にも追われている。とある映像の脚本も抱えている。もちろん毎日講義を受けに大学に通っている。遅刻が気になるので明日からはちゃんと起きようと思う。

問題は山積みだが未来は明るい。沖縄に帰った先輩を思い出す。


こうやって無意味な文章を打ち続ける間に日は暮れていく。もうすぐ煙草の煙のように真っ白な息を吐くようになる。

meat

雨が続いた7月だった。やることも山のようにあってしんどい日が続いた。

生活に刺激がほしいと思っていた。

7月に入ってすぐ肉を食べない生活を始めた。理由は特にない。小学生が冬になってもいつまで半袖でいられるか我慢しているような感じである。そういうのが好きなのかもしれない。

肉を食べないという習慣はなかなか難しいということが分かった。決意してすぐにコンビニでポテサラを挟んだサンドイッチを買って食べていると、中にハムが入っているのが見えた。少しがっかりしたが、明日から始めようと開き直った。

大学でもバイト先でも家でもコンビニを使うことが多い僕にとってライフラインを握られているその場所には、実は肉の入っていない商品は少ないのであった。蕎麦やサラダ、鮭おにぎりを食べることが多かった。

そしてお菓子の量が増えてしまった。ポテトチップス、いかフライ、チョコレート、えびせん等。手に取ってしまう癖がついた。ダイエットを目的にしていないので気にしているわけではない。

 

これでも2週間はこの生活を続けることができた。きっとあまり友達に会ってなかったからだろう。飲み会やら外食やらに行って肉を避けるのは至難の技だろうな。

断肉の終末はあっけないものだった。いつも通り大学の中にあるコンビニで昼食を買っているときに“冷やしタンメン(沖縄出店記念)”を見つけ、中身を見ると具は野菜ばかりで肉は入ってなさそうだったので買い物かごに入れた。

教室でいざ食べようとタンメンを開けると1枚だけ薄い豚肉が入っていた。正直こんなんだったら要らないだろってサイズであった。包装のビニールに隠れて見えなかったのだろう。え、という驚きとともに怒りさえ込み上げてきた。

僕は食べ物を粗末にするようなことはしない。しっかり薄い豚肉を1枚食べた。久しぶりの肉は味がしなかった。だからと言って、これをカウントしないというのも自分に嘘をついているような感じがして嫌だった。事実を受け止め、断肉生活に終止符を打った。ありがとう、野菜や炭水化物たち。

 

この生活をしてよかったことと言えば、少し穏やかになった気がしないでもない。特に痩せた感じもない。バイト先での話のネタになるくらいか。

どうせなら飲みにでかけたり、焼肉を食べたりしたい。とにかく友達に会いたいな。

moving

長らくこのブログを気にしていなかった。ずっと満たされた生活をしていた。


1年弱住んだシェアハウスを出た。引越しは車を使わず手持ちでちびちびと荷物を運び出している。今日もそのために下高井戸に来ている。残した荷物もあとわずかなのだがベースだとかアンプだとか重いものが多いのでもう少しかかりそう。

もっと住んでみたかったが僕のモラトリアムも終わりが見えている。髪も短くした。同級生が大人になっていくのを見て僕も「ああそうだな」と頷く。


コンビニのバイトも辞めるつもりなのだが店長に言うタイミングを失っている。ちょっと情けない。

職探しもダラけてきた。もっと情けない。

映画や海外ドラマを見て廃棄でもらった飯を食ってなんとなく過ごしている。あかんなと思いながらも動き出すには時間がかかる。朝も弱いし予定帳を見るのも嫌になってきた。誰かに連絡しようという気にもなれない。

こういうときは部屋の掃除をするのが一番なのだが物が多すぎてどこから手をつければいいのか分からない。このまま1月が終わってしまうのも嫌なので掃除マスターを雇いたい。募集中。

summer

最後の投稿は5月か。この頃と生活は変わらない。夏の終わりが見えてきて少し寂しくなっただけだ。夏らしいことは何もしなかった。夏のせいにすることもなかった。

初めてのバイトで仲良くなった先輩が先日地元である沖縄に引っ越した。頭のネジが一本取れたような人で初めて会ったときは面白い人だなくらいに思ってた。2回目店に来て働かせてほしいというような内容を店長と話してて横で聞きながら僕は働いていたがLOSTAGEのTシャツ(自分も同じものを持っていた)を着ているのを見て仲良くなりたいと思った。実際バンドTシャツはダサいと思っているがこういう巡り合わせもあるのでできるだけ着るようにしている。

彼はその後すぐに店で働くようになり、暇な時よく音楽の話をした。もともとバンドマンだったらしくバンドを始めたての僕は一生懸命彼の話を聞いて自分に置き換えた。そんなくそ真面目な僕のことをよく茶化した。「彼女がナンバーガール好きだから今度要らないCDとかあげるよ」と言われてからずっと待っているが結局もらえなかった。

お互いにそのバイトを辞めた後、彼女と結婚したと連絡が来た。バンドのライブに遊びにきてくれて幸せそうな顔を見た。そして子どもができたという流れになり実家で暮らすことにしたらしい。身近な人が人生を楽しむ姿をみることは楽しい。自然と尊敬もするようになる。

引っ越しを手伝いに行ったときにビザールギターとクロスバイクをくれた。最後までちょけた様子で他愛もない話をしてくれた。

これから置いてけぼりになったその自転車を取りにでかけるつもりだ。後輪がパンクしているらしく修理費が怖いので足が重い。自転車屋が閉まる前に行かなければ。

とにかく沖縄は好きな場所なので宿ができてよかったと思う。こんなこと思っちゃうのも夏の暑さのせいだよな。